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せいけい
定義
 プチ整形とは、美意識を満たすためにメスを使うことなく顔を形質的に変化させる医療行為の俗称。医学的には美容外科学の範疇に入るが、メスを使って行う美容外科手術(通称、美容整形)とは区別される。美容外科手術とは違ってメスを使わないため入院が不要なうえ、施術後の腫れや赤みなどが数日で引くという手軽さから近年需要が増加。プチ整形を提供するクリニックの数も増えている。
歴史
 日本では、1920年頃すでにメスを使って一重まぶたを二重にしたり鼻を高くしたりする美容整形が存在し、1930年代にはメスを使わず二重まぶたをつくる整形が登場していた。1945年に第二次世界大戦が終わり、日本がアメリカの占領下に入ると、アメリカ文化が大量に流入。ハリウッド映画の男優や女優のように鼻を高くしたい、目を大きくしたいと願う人たちが増加した。「当時は鼻を高くしたり顎を細く尖らせるには、皮膚を切開してシリコンの塊を埋め込んだり、別の部位から取った骨を埋めて顔の形を整えたりするしかありませんでした。こういった手術は患者への負担が大きいため、医師たちはメスを使わず顔のパーツを整える方法がないか思案しました。これが、のちのプチ整形開発につながったのです」と、日本でいち早くボトックス(キーワード参照)をシワ改善注射に取り入れた、ノエル銀座クリニック 院長 保志名勝先生は語る。

スイスの製薬会社がヒアラーゼという商品名で発売している薬剤。蓄積したヒアルロン酸を溶かすために使用される。

メスを使わずに顔の形を整えようとした結果、1950年代にシリコンを溶かしたものやオルガノーゲンと呼ばれる石油系化合物を注射器で肌に入れ、顔の形を整える注入法が広まった。「しかし注入した成分が筋肉と結合して顔が凸凹になるトラブルが多発したため、シリコンとオルガノーゲンの注入は廃れてしまいます。安全な代替法として1980年代に登場したのが、牛由来のコラーゲン注入です。しかし牛由来のコラーゲンもまた、1990年代の終わりに狂牛病とアレルギーリスクが問題になりました。それ以降、アレルギーリスクの低いヒアルロン酸(キーワード参照)の注入が主流になりますが、これにも問題点が浮上します。ヒアルロン酸は体内に吸収されるので、効果を維持するためには何度も打つ必要があるというのが従来の説でした。ところが、体内で吸収されずに残る成分だったのです。そのため、ヒアルロン酸が蓄積し、整形箇所の形状を崩すなどのトラブルが起きました。現在ではこの問題に対応して、ヒアルロン酸を溶かす薬剤が流通しています」(保志名先生)
 1990年代になると、メスを使わない美容整形が一気に進化する。1991年には、保志名先生がシワを改善するボトックス注射を日本に導入した。1990年代後半に生まれたプチ整形(プチ=フランス語で小さいの意)という呼称も、メスを使わない美容整形の広がりを後押しする。手軽なイメージの語感によって美容整形への心理的な抵抗感が軽減され、試すことへの敷居が低くなったのだ。2001年には皮下組織に糸を埋め込み、フェイスラインのたるみを改善する新技術(後述アンチエイジング参照)が日本に上陸している。「最近は、再生医療(キーワード参照)を応用した、より安全で効果の高い画期的プチ整形が開発され、注目を集めています。今後も、再生医療の発展とともにプチ整形の技術開発が進むと思います」(保志名先生)
プチ整形の目的
パーツ整形
 顔のパーツの形を整えるプチ整形。主な施術には、一重まぶたに髪の毛より細い糸を埋没させて二重をつくる埋没法、ヒアルロン酸を皮下組織に注射して顔の凹凸を調節する整形、ボトックスを注射して筋肉を痩せさせることでエラを縮小する整形などがある。
アンチエイジング
 アンチエイジング目的のプチ整形は、大きく分けてシワ取りとたるみ改善のふたつ。シワ取りが目的の場合には、シワ部分にヒアルロン酸や患者自身の血液から抽出した血小板を注入して凹みを内側から埋める方法と、ボトックスで目尻や額にある表情筋の動きを麻痺させて表情ジワを改善する方法がある。たるみ改善の場合は、特殊な糸を肌に埋めるリフト法が用いられる。金糸や毛羽立ちのついた糸、溶ける糸を肌の真皮層に埋め込み、周囲の線維芽細胞を刺激することでコラーゲンやエラスチン産生を促して、肌のハリを高めるというものだ。金糸を使用するのはゴールデンリフト、毛羽立ちのついた糸を使うのはフェザーリフト、溶ける糸を使うのはメルティングリフトと呼ぶ。
キーワード
ヒアルロン酸
 ふたつの糖分子が結合した、ムコ多糖類という物質の一種。保湿力が高く、弾力性がある。人間の体を構成する成分の一つで、皮膚や関節、内臓などに存在する。プチ整形では鼻を高くしたりシワを埋めたりする施術に用い、アレルギーや拒絶反応が起こる可能性はほとんどないとされる。
スウェーデンのQ-MED社製のプチ整形用ヒアルロン酸注射、レスチレン。非動物性なので、よりアレルギーリスクが低いとされる。
ボトックス

アメリカのアラガン社のボトックス。アラガン社以外の製品でも、同様の薬剤をボトックスと呼ぶクリニックが多い。

大腸菌の一種であるボツリヌス菌の発する毒素を使った、筋肉を動かす神経を麻痺させる薬剤。ボトックスという名称はアメリカのアラガン社の登録商標である。ボツリヌス菌の毒素は何十年も前から神経症に伴う顔面筋肉痙攣などの治療薬として利用されてきた。それがシワ改善にも効果があると判明し、プチ整形に応用されたのだ。筋肉を麻痺させる効果があるため、表情筋の動きを抑えて表情ジワを目立たなくしたり、エラの筋肉を落としてエラを小さくするために用いられる。効果持続期間は約半年とされる。
再生医療
 病気や事故などで損傷を受けたり失われたりした人体組織を再生させる医療。近年美容分野への応用が始まり、プチ整形の分野ではPRP療法や自己コラーゲン注入療法と呼ばれる治療法が確立されている。自分自身の細胞を用いるため、副作用やアレルギー反応がなく効果実感も高いと言われる。
 PRP療法とは、血液の中から成長因子を含む血小板を抽出し、肌の真皮層に注入する治療法のこと。真皮層に入った血小板の中の成長因子は線維芽細胞に指令を出し、肌弾力の素となるコラーゲンやエラスチンの産生を促す。自己コラーゲン注入療法とは、耳の裏から皮膚片を採取し、中に含まれる線維芽細胞を培養して真皮層に注入する治療法。線維芽細胞自体を増やすことでコラーゲンやエラスチンの量も増える。どちらの治療法も、ちりめんジワやほうれい線、ニキビ痕の凹凸改善に効果を発揮する。
関連項目
豊胸、審美歯科
※次回のテーマは、「ニキビ」です。

取材協力:
ノエル銀座クリニック 院長 保志名勝

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