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2009年6月
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洗髪
定義
 洗髪とは、頭皮や毛髪に付着したほこりや皮脂などの汚れを洗い流すこと。水や湯とともに、洗浄剤を用いることが一般的。洗髪頻度や洗浄剤は、ヘアスタイルの変遷やスタイリング剤の進化、入浴設備の改善などに影響を受け、変化してきた。
歴史
 日本の洗髪の歴史は、飛鳥時代にさかのぼる。
「それ以前は衛生のためと言うより、宗教儀式として身を清めていました。6世紀に百済から仏教が伝来すると、仏に仕える者の心身を清めるために寺院に浴堂が設けられます。そこで、湯と植物を使った洗髪が始まりました」(大塚英之さん)
*A1
平安時代になると仏門に入る者以外、貴族の間でも年に一度の洗髪が習慣化した。
その後、室町時代以降、特に江戸時代になると、女性の髪型は複雑化。頭上で束ねた毛髪を輪にして髷をつくったり前髪を立てたりするなど、重力に逆らうヘアスタイルが増えた。その髪型を保つために、植物由来の鬢付け油などのスタイリング剤がつくられ、洗髪はそのスタイリング剤を落とすために頻度を上げる。
 「『守貞謾稿(もりさだまんこう)』という史料によると、江戸の女性の洗髪は月に1~2回。天候を見定めて洗髪料の調整をするなど、一日がかりの大仕事だったことがわかります。この時代の浮世絵には、よく自宅の軒先で盥に水を張り、長い黒髪を洗う女性の姿が描かれています」(大塚英之さん)
 また、同じく浮世絵によく描かれたのが、江戸時代の湯屋、いまで言う銭湯だ。江戸庶民は大の風呂好きで、毎日のように湯屋へ通ったという。しかし浮世絵を見ると、湯屋で体を洗う女性はみな髷を結っており、髪を洗う様子は認められない。その理由には、当時の湯屋は蒸し風呂が主で、洗髪に向かないことが考えられる。
江戸時代、湯屋で髷を結ったまま入浴する女性たちを描いた浮世絵。

 明治維新とともに鎖国が終了。西洋の文化が大量に流入する文明開化を迎えると、男女とも髪型や生活習慣に大きな変化が現れる。この時代から、洗髪には髪専用の石けんを用いるようになる。戦前に花王から発売された洗髪用石けん「花王シャンプー」の広告には、1週間に1度の洗髪を呼びかける文章が記されている。実際の洗髪頻度はそれ以下だったのだ。この状況は第二次大戦後もしばらく続いた。*A3
長い黒髪を洗う、江戸時代の女性。髷を崩し、髪を固めていた油を落とすのは大変。当時、女性の洗髪は丸一日かかったという。
第10回美ィキ検定の正解はこちら
 
 「家庭にはまだ浴室が普及しておらず、家で洗髪するのは面倒なこと。しかも家に浴室があったであろう裕福な女性は週に1回サロンで髪をセットする習慣があり、そのついでに洗髪するのが普通でした。ドライヤーもなく家でブローセットはできませんから、せっかくきれいにつくったスタイルを保つために、頻繁な洗髪は避けたかったのでしょう」(ハリウッド メイスガーデンスパ 六本木ヒルズ店 総支配人 白石みどりさん)
 戦後になると、住宅事情に大きな変化が訪れる。その一例が、日本住宅公団(現・都市再生機構)の定めた標準設計である。1955年、勤労者に良質な住宅を供給するべく設立された日本住宅公団では、住宅内への浴室設置を推進。花王ミュージアムのグラフによると、1963年には日本全国で63%の家庭に内風呂が普及している。*A6
 「住環境の近代化にともなって清潔志向が高まると、洗髪頻度も上がりました。資生堂の調べでは、1974年の時点で週7回以上洗髪する女性は72%、'80年代には10代男女の約80%が毎日洗髪するようになります。若い人を中心に朝、洗髪するいわゆる朝シャンがブームになったのがちょうどこの頃です」(資生堂 マス・マスステージブランドユニット課長 井上直也さん)
 花王の調べでも、1987年には20代男女の約50%が毎日洗髪すると回答。その後'90年代には、80%以上が毎日の洗髪を習慣としている。
 「頻度の上昇は、洗髪剤に洗浄効果だけでなく、毎日使っても髪を傷めない優しさ、香りのよさ、髪質改善、ダメージケアなどさまざまなニーズを生み出しました。そのニーズはここ数年、より細分化される傾向にあります」(井上さん)
 洗髪は毛髪を清潔に保つための習慣から、美髪をつくるためのケアへと進化しているのだ。
キーワード  
 洗髪剤がシャンプーという名になる以前、髪はあらゆる素材で洗っていた。
 「古代の日本では海藻の一種ふのりやむくろじ、さいかちという植物の果皮を煮出した液を使っていました。この液には油と水を乳化する成分サポニンが含まれており、毛髪についた皮脂を落とすのに役立っていました」(大塚英之さん)*A2
古代に洗髪剤として使われていた、さいかちという樹木の実。資料提供:花王
1932年に発売された花王シャンプー。中は、粉末を固めたものだった。資料提供:花王
 その後洗髪剤のバリエーションは増加していく。髪型が多様化かつ複雑化する中世、近世になると、整髪剤にあわせた洗髪剤が発明される。
 「室町から江戸時代にかけては、菜種や胡麻、椿などの油が髪油として使われます。するとその油汚れを落とすため、うどん粉や粘土、卵の白身などが洗髪に活用されました。*A5さらに髷を結う髪型が増えると、髪を固めてツヤを出すために、松脂、伽羅の油などを練ったものを髪に塗るようになります。その洗髪には、アルカリ性溶剤が適していたため、火山灰や灰汁で髪を洗うようになりました」(大塚英之さん)
 明治以降、洗髪剤の主役は石けんへと変化する。
 「洗髪用石けんの誕生は、明治時代のようです。明治15年(1882年)の大阪朝日新聞には『新発明玉子製散髪用・美洗粉』の宣伝が掲載されています。1926年には、葛原工業が髪専用洗剤『モダン・シャンプー』を発売。これが、日本のシャンプーの先駆けと思われます」(大塚英之さん)*A4
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